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Channel: 八重山毎日新聞社
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前回に続き、日常の仕事のすべてが読者と…

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 前回に続き、日常の仕事のすべてが読者と直結している整理記者の仕事の一端を知っていただきたい▼読者に記事を読ませる。整理記者が日々悪戦苦闘するのがニュースの価値を的確簡潔に表現し、読者に伝える見出しである。新聞を広げたとき、記事本文を読む意欲を引き出す役割があり、うまい見出しは新聞の魅力のひとつ▼1932(昭和7)年5月9日、神奈川県大磯町で結婚に反対された大学生と資産家令嬢の心中事件があった。第一報を報じた東京日日新聞(現・毎日新聞)の整理記者は2人の思いをくんで「純潔の香高く 天国に結ぶ恋」という見出しをつけて人々の涙を誘った▼この見出しは心中事件を象徴する名文句となり、同名の映画や歌が制作公開されて人気を博した。今も語られる一世を風靡(ふうび)した整理記者の活躍である▼新聞の見出しは「よい」か「悪い」かのほかに「うまい」かどうかの世界がある。定型を外して紙面にアッと目を引く「遊び見出し」と呼ばれるものがあるが、これも同一紙面の中で多用すると新聞の質を落としかねない▼人権を侵害する言葉を使ってはならず。整理記者の腕の見せどころは、新聞の評価を左右する見出しのつけ方といっても過言ではない。見出し楽しやむずかしや。たかが見出し、されど見出しである。(鬚川修)


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