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Channel: 八重山毎日新聞社
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地元雇用がピンチ ホテル業界

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 観光や飲食業界で人手不足が深刻化する石垣市内で一部のホテルが本島や本土の人材派遣会社に従業員の確保を依頼し始めている。ホテルの人事担当者らは「地元で募集しても人が来ない。派遣会社に頼った人材確保しかない」と切実だ。一方、「長期的なホテル運営を考えれば自社で人材を育てるべきだ」として派遣会社への依頼に慎重な意見もある。

 県内外の人材派遣会社5社に派遣を依頼している大手ホテルはこれまでに、従業員に対する福利厚生の見直しや特典充実などで人手の確保を図ってきたが十分な人材が集まらず、担当者は「ハローワークや新聞広告の求人に求職者が反応しないので人材派遣を依頼した」と明かす。

 中堅ホテルの担当者は「観光産業の活発化で新規企業が出店し、就労の間口が広がったこともホテル業の人材不足に影響している」と分析する。

 派遣会社に支払う費用や、島外からの就労者に対する交通費支給などの負担については、両者とも「人材を集める経費が膨れ、企業には痛手。人が確保できる保証はない」と話す。

 一方、派遣会社の利用に難色を示す別ホテルの支配人は「長期的なホテル運営を考えれば自社で人材を育てるべきだ。派遣会社に頼るのは最後の手段。この問題には行政も真剣に考えてほしい」と訴えた。

 今年1~4月期の八重山入域観光客数は昨年同期を7042人上回る33万508人。この好調ぶりが人手不足の背景にもなっており、「今後迎えるトップシーズンは(人手を確保できなければ)既存のスタッフの過労働につながる」と従業員の健康状態を懸念する声が多い。

 八重山労働基準監督署の五十嵐勇樹監督課長は「繁忙期には従業員の長時間労働が懸念される」と話した。

 八重山職業安定所の親泊政義所長は「派遣社員に頼ると社員教育が行き届かず、サービスなどの質の低下につながる。将来的な人材育成を企業が考えないといけない。従来の考え方を変え、行政と業界が連携してこの問題に取り組みたい」と話した。


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