【那覇】県議会(喜納昌春議長)6月定例会の一般質問最終日は2日、石垣市区選出の高嶺善伸氏(社民・護憲)が登壇し、離島振興などについて県の見解をただした。
高嶺氏が新県立病院の工事着工を質問したのに対し、翁長雄志知事は「現在、設計書のとりまとめを行っており、10月には建設工事に着手し、2017年度の開院に向けて取り組む」と述べた。
地域がん治療病院指定と診療体制について伊江朝次病院事業局長は「指定に向けて本年度は緩和ケア担当医師、看護師、がん相談支援員などの確保を図る。県立中部病院とも連携し、診療体制の充実強化に努める」と答弁した。
災害拠点病院体制の取り組みには「自家発電や給水設備、食料や薬品の備蓄倉庫を整備する。災害時に対応できる組織体制を構築する」と述べ、感染症医療体制でも機能の充実強化を図る考えを示した。保育所の整備については「敷地内に整備する。現在、必要な規模、運営形態を検討している」と述べた。
関連して新病院周辺での不発弾磁気探査の実施や基金を活用した離島の医師確保に取り組む考えを示した。
石垣島への自衛隊配備について町田優知事公室長は「地元の理解と協力が得られるよう政府は丁寧に説明を行うべきだと考えている」と述べるにとどめた。高嶺氏は、県民の民意を示すためにも沖縄の自己決定権を国連で世界に訴えるべきではないかと質問。町田知事公室長は「国際社会に沖縄の実情、知事の考えを直接伝えることは意義がある。今後ともあらゆる手法を用いて辺野古の新基地は造らせないことを県政運営の柱にしていきたい」と述べた。
高嶺氏は、自民党の若手国会議員による報道圧力発言などに抗議する緊急動議の審議の関係で、一般質問の日程が夕方にずれ込んだため、一部の質問項目を取り下げた。