特定秘密保護法や現在国会で審議中の「安保関連法案」などと同様、“天下の悪法”と呼ばれる「労働者派遣法改正案」が自公で可決され、今国会で成立の見通しとなった▼同時に野党提出の「同一労働同一賃金法案」も可決されたが、同案は正規、非正規にかかわらず、同じ職務なら同じ賃金の支払いを求める肝心な部分を維新と自公の修正で「骨抜き」にされた▼この結果企業は、人さえ代えれば賃金の安い派遣労働者を際限なく使えることになり、経営者にとっては人件費抑制と、いつでも雇い止めできる雇用の調整弁になる非常にうまみのある仕組みになる▼逆に労働者にとってそれは、正社員の道を閉ざされ、生涯派遣あるいは非正規社員として賃金の安い不安定な待遇で苦しい生活を強いられる、子や孫の時代をも暗くする悪法というものだ▼しかし、なぜ労働者を軽んじ使い捨てにするこういう政治がまかり通るのか。国を危うくする戦争法案といい、若者たちはこういう政治に、もっと怒りを表すべきだ▼秘密保護法や原発再稼働、戦争法案、今回の社会的弱者を量産する労働者派遣法改正案など、国民の反対が強い自民党の政策を一体で進める公明党に失望している人は少なくないだろう。“与党病”の今の公明党は安倍自民党と何がどう違うのか。(上地義男)
↧