【西表】工場建設の遅れなどで操業開始が大幅にずれ込んでいた西表製糖㈱(金城一夫社長)へのサトウキビの搬入が25日、終わった。操業開始の3月19日からこの日までの99日間で820㌧を搬入。残り約900㌧については26日からハーベスターで刈り取り、同社が買い取る。竹富町は前年度の一般会計予算に収穫支援委託費として1087万円を計上しており、石垣島と波照間島のハーベスター計4機のリース代と輸送費、オペレーター確保の費用などを負担する。ハーベスターで刈り取ったサトウキビは人の手で土や草などを取り除いてから製糖する。
西表製糖の操業は工場建設の遅れで当初予定していた1月初旬から2カ月ずれ込んだ。その後も機械の故障などで操業に遅れが生じ、援農隊の不足や予想以上の豊作、熱中症対策のための作業時間短縮などのために、操業期間内にすべてのサトウキビを刈り取ることができなかった。
30代のサトウキビ農家の男性は「町は今回だけの問題にするのではなく、教訓として認識し、同じ過ちを繰り返さないでほしい」と訴えた。
同社は目標の8300㌧には届かなかったが、立津政順特命参与は「農家に迷惑をかけるわけにもいかないので仕方がない。農家の皆さんには来期もその次もサトウキビを作ってもらうので、できるかぎりのことをしたい」と述べた。
ハーベスターで収穫したサトウキビの製糖について立津特命参与は「どんな砂糖ができあがるのか分からないが、購入してくれるユーザーを見つけたい」と話した。
同社では、搬入後に買い取ったキビへの補助を町側に要望しているが、田代仁農林水産課長は「買い取り補助の考えはない。収穫の支援を行っていく」と従来の見解を繰り返した。