開会中の6月定例竹富町議会(新博文議長)は17日、一般質問2日目を行い、仲里俊一、東迎一博、新田長男、渡久山康秀の4氏が登壇。新田氏は干ばつ対策として行う浦内川からの取水工事について、絶滅が危惧されている魚類への影響を尋ね、宮良用和水道課長は「設計段階から国や関係機関を交え、慎重に調査している。浦内川の魚類などに影響を及ぼすことがあれば、速やかに改善策を検討する体制を整えている」と述べ、計画通り工事を進める考えを示した。10月にも運航が再開する波照間空港の新設ターミナルビルは、9月中旬に完成するとのスケジュールが示された。
取水工事は昨夏の干ばつの緊急対策として11月の町議会臨時議会で承認。渇水時に浦内川から上原の浄水場に取水ポンプで1日500㌧を送水する計画。工期は7月31日まで。6月15日現在の進捗(しんちょく)状況は陸上部が65%、河川が30%。
工事に対して日本魚類学会自然保護委員会(委員長・森誠一岐阜経済大学教授)が魚類などの生態系に影響を与えかねないとして町と環境省に提言と質問を行っている。
波照間空港については東迎氏が新設ターミナルビルについて質問。町側の答弁によると、4月28日に着工し、9月中旬の完成を予定している。鉄筋コンクリート平屋建てで、床面積337・5平方㍍。進捗(しんちょく)状況は6月15日現在で10%。石垣|波照間線の10月の運航再開に間に合わせる。
各島の港ターミナルへの防犯カメラ設置では、仲里氏が「観光客が増加するなか、上原地区では不審者の目撃情報がある」と設置を要望し、大浜知司総務課長は「県から具体的な回答は得ていないが、早急に取り組めるようにしたい。できないのであれば町で対応したい」と述べた。
船浦観光案内所跡地の利用計画については渡久山氏が取り上げ、東金嶺肇商工観光課長は「船浦港に隣接しており、今後の同港整備計画を考えた上で良い立地となっている。行政財産として維持し、利活用については関係課と協議していく」と答えた。
新田氏が船浦中学校の校舎改築工事の遅れを指摘し、本年度行う大原中学校と白浜小学校の校舎改築で同じ事態が起きないようクギを刺した。