石垣市消防本部の川平・伊原間両出張所で救急搬送に必要な人数が確保できずに5月28日から救急搬送業務が停止している問題で、市は臨時職員4人の採用と本部職員の勤務体制を見直すことで人員を確保し、7月1日をメドに急患搬送を再開する方向で調整を進めている。8日午前、市役所庁議室で会見した中山義隆市長は「北西部地区の市民の不安を一日も早く解消できるように取り組みたい」と話した。
消防法上、急患搬送には3人の職員が必要だが、両出張所の急患搬送はこれまで2人体制で実施。病院までは搬送せず、途中で本署救急隊員に引き継ぐドッキング方式で行ってきたが、県の指導で消防法に抵触することが分かり、5月28日から両出張所の急患搬送を停止している。
現在は、出張所職員が現場に駆けつけて救急処置を行い、本部からの救急車の到着を待って病院まで搬送する「PA連携」で対応している。8日までに5件の救急搬送の要請があり、2件を搬送したという。
両出張所の職員体制は各6人(2人×3班体制)で、急患搬送に必要な3人体制を確保するためには両出張所に3人ずつ、計6人の人員補充が必要となる。このため、市消防では正職員7人体制の空港出張所に4人の臨時職員を補充。空港出張所の正職員3人を川平・伊原間出張所に配置するとともに、本部職員の勤務体制を見直して残り3人分の人員を確保する考え。
会見で中山市長は「街自体が大きくなっている面もあり、市職員の人員配置を見直しながら消防職員の増に向けて取り組まなければならない」と述べた。
同体制が整った場合、空港出張所は正職員4人、臨時職員4人の体制となるが、大工嘉広消防長は「宮古空港でも同様の体制で問題はない」としている。今後、臨時職員を募集する。
なお、市消防本部では北西部地区19公民館に急患搬送業務の現状と再開に向けた取り組みを説明している。吉原公民館の仲松浩次館長は「急に急患搬送が中断して驚いていたが、再開に向かうということなのでよかった」と話した。