6月1日から施行される改正道路交通法で、自転車の運転で危険な行為を3年以内に2回繰り返した運転者に安全講習受講を義務化する制度がスタートする。危険な行為と定められたのは「信号無視」や「酒酔い運転」「ブレーキのない自転車の運転」など14項目。スマートフォンを操作しながらの運転や傘を差したままの運転などは「安全運転義務違反」として取り締まりの対象となる。
八重山署では、無灯火や2人乗りなどの交通違反に対して14歳以下には自転車交通安全指導カード、14歳以上には自転車交通違反指導警告書を交付しており、警告書の件数は2013年度で3375件、14年度で4234件と増加傾向。
同署の与那覇長次交通課長は「八重山は自転車の台数が多いこともあり、他の地区に比べて件数が多い。14年には酒酔い運転の検挙もあった」と自転車の安全運転に対する意識の低さも指摘。
同署によると、昨年は自転車の運転者が加害者となった事故が2件発生しており、与那覇課長は「自転車は保険に入っていない場合がほとんど。万が一に備え保険に加入してほしい」と呼びかけた。
13年には県外で、当時小学5年生だった少年が乗った自転車と歩行者が衝突。少年の母親に約9500万円の賠償を命じる判決が出ている。
改正道路交通法に基づく安全講習は交通ルールの理解度を確かめる小テストを受けたり、自転車事故の加害者と被害者の体験談を読んだりする内容。自分の行動を振り返ってどこが危険だったか発表するなどして、講師と討議した後に再度小テストを受ける。
2度目の違反で講習の義務が生じてから3カ月以内に受講しなければならず、従わない場合は、5万円以下の罰金が科される。