石垣市文化財審議会(石垣博孝委員長、委員10人)は29日午後、石垣市教育委員会で第1回会議を開き、市教委から諮問のあった崎枝地区のフミダカーラ流域にある「トゥファ」と呼ばれる多孔質の炭酸塩堆積物の指定を全会一致で決定した。トゥファ内部には、気候の経年変化などに影響されるしま状組織が確認でき、環境変遷を知る手がかりとして注目されている。同流域の「トゥファ」は県内最大規模といわれ、非常に貴重とされる。
指定範囲内は市有地のため、関係各課から同意を得て答申案を作成した後、市教委に答申する方針。
フミダカーラ上流は屋良部岳南側の中腹から南南東へ流れており、豆石状や滝状などさまざまな形態のトゥファがあるほか、源流域に宮良層の石灰岩が分布している。
トゥファに詳しい東田盛善委員は「川の長さは約430㍍。上流から下流にかけて連続して(トゥファが)観察できるのは他にはない特徴」と話す。
会議ではまた、事務局が「(仮称)石垣村の星見石」を指定候補の物件として提案。現地の視察を行ったうえで指定に向けた作業に入ることになった。
さらに①民俗②歴史③史跡・名勝④天然記念物―の専門部会も設置。関連する案件が諮問された場合、全体会とは別に会議を開き、答申書の作成や調査研究などを行う。
委員の改選では、石垣委員長と石垣久雄副委員長を再任した。