沖縄振興開発金融公庫八重山支店(古堅宗俊支店長)の2014年度の融資実績が前年度を16億3700万円上回り、2005年以来10年ぶりに60億円台を突破し、61億6000万円となった。好調な八重山観光を背景として新規創業が堅調。設備投資は建設業を筆頭に増加し、13年度の約2倍に当たる約42億円と急増し、融資全体の68%を占めた。同支店では「管内経済は活況を呈し、企業の設備投資マインドは旺盛。インパクトのある問題がないかぎり、短期的には高水準で推移する」(古堅支店長)とみている。
14年度の融資実績は606件で61億6000万円(前年度487件45億2300万円)。そのうち設備投資が41億9100万円(同20億800万円)だった。
なかでも建設業の設備投資は8億4500万円で、前年度を7億4400万円上回る大幅な伸びとなった。観光関連工事に加え、公共工事の発注も増えており、同公庫では「今後の受注機会を見越して、億単位の機械購入など積極的な投資が増えている」と分析。
一方で、人件費や建設資材の高騰が要因となり、「規模の大きい設備投資を考えていても、二の足を踏むケースもあった」と述べた。
好調さを下支えしている観光業については「需給のバランスを取ろうとする民間の設備投資の動きはあるが、オーバーフロー状態ではないか」と指摘し、「宿泊施設の整備や景気に左右されない高所得者をターゲットにした高品質のブランド化を進め、どんな時代でも一定の客が来る地域を目指してほしい」と、省力化や高付加価値のサービスの創出に期待した。
業種別の融資額は飲食、宿泊業が9億500万円(同2億3900万円)、建設業10億9600万円(同5億7800万円)、マリンレジャー関連事業者など生活関連サービス、娯楽業は5億8100万円(同2億7800万円)だった。