与那国町の人口は、昨年12月から5カ月連続で1500人を割り込んでいることが、町の月別人口動態表で分かった。町人口は統計が残る1920年以降、昨年3月に初めて1400人台に落ち込み、翌月には1500人台に回復したが、同年12月から再び1400人台に。人の移動が活発になる今年3~4月に、高校進学や引っ越しなどの転出者が転入者を上回り、人口の流出に歯止めがかかっていない状況となっている。
昨年12月から今年4月までの人口動態をみると、出生数8人に対して死亡数6人で2人の自然増となっているが、転入数90人に対して転出数が96人と6人の社会減となり、自然増より社会減が多かった。
5年ごとの国勢調査によると、町人口は調査開始の1920年には3802人。その後増加したが、50年の6518人をピークに減少に転じ、70年には3000人を割り込んだ。
町の人口動態表によると、2007年3月から1600人台、2012年2月から1500人台となり、昨年12月から1400人台が常態化している。
町は、“平成の大合併”の際、自立の道を選択。2005年3月に国境交流特区などを盛り込んだ「与那国・自立へのビジョン」をつくり、自立の道を模索してきたが実現せず、人口の減少を食い止めることができないでいる。
町総務財政課は「施策を打ってきたが、後手後手になっている。人口減少に歯止めがかからない」(上地常夫課長)と頭を抱える。
来年3月には自衛隊沿岸監視部隊の配備が予定されるなど、町を取り巻く環境が変化することから、町は本年度で自立ビジョンの見直しを行う。同課は「町民と今後の島のあり方について話し合っていきたい」(同)としている。