サッカーJ2のジェフユナイテッド市原・千葉が毎年1月下旬に実施してきた石垣島キャンプから撤退することが6日、分かった。石垣市観光文化スポーツ局によると、同チームのスタッフ2人が昨年12月17日に市役所を訪れ、中山義隆市長に伝えた。チームはJ1への昇格ができず低迷していることから、キャンプ環境の変化と他チームとのトレーニングマッチの実施を目的にキャンプ地を本島の南城市へ変更するという。同局の嘉数博仁局長は「別のチームへの(キャンプ)誘致は時間的に難しい」としており、1997年のサッカーパークあかんま整備後、初めてプロサッカーチームのキャンプが途絶えることになりそうだ。
ジェフ千葉は2009年、FC東京が石垣島から撤退した後にキャンプを開始し、13年までの5年間実施した。
ジェフ千葉の広報担当は本紙の取材に対し、「条件が折り合わず石垣島キャンプができなくなったことは残念。キャンプ地については今後、正式に発表したい」とコメントした。
同局では「昨年、ジェフ千葉のスタッフによる市長表敬でキャンプ地の変更を報告されて驚いている。撤退は非常に残念」と話す一方、ジェフ千葉側の報告前にJリーグの2チームからキャンプの打診があり、市側が断っていたことも分かった。「ジェフ千葉が今年も来るだろうと思って断った。事前の調整をすればよかった」と振り返る。
今年キャンプ地となった南城市側は、トップセールスを各サッカーチームに展開し、アピールを行っていた。南城市の観光商工課は「サッカーキャンプ受け入れを強化していたので、誘致できてうれしい。石垣の分まで頑張りたい」と話した。これについて市職員は「クラブ任せで誘致側が積極的ではない」と指摘。来年に向けたキャンプ誘致について嘉数局長は「夏から秋にかけて誘致活動を行い、プロチームを呼びたい」と答えた。
あかんまではこれまでに清水エスパルスやベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)、FC東京、コンサドーレ札幌、韓国浦項、U-23日本代表、ガンバ大阪などがキャンプを実施してきた。