社民党の福島瑞穂副党首が先月の参院予算委で、国が法案化を進めている安保法制に関して「戦争法案」と発言したことに、自民党が修正を求める騒ぎがあった▼「積極的平和主義」に始まって「国際平和支援法」「重要影響事態」「存立危機事態」など、全く意味の分からない言葉を巧みに駆使して自衛隊を地球のどこにでも派遣できるようたくらむ安倍首相にとって、「戦争法案」という“レッテル貼り”は確かに嫌だろう▼福島氏は修正を拒否し野党も厳しく批判。しかし今の政権は、「自民一強」のおごり甚だしく、強大な権力でメディアに露骨に圧力をかけたり、懐柔したりして報道や表現の自由を脅かす過去の政権にはないタカ派の怖さがある▼27日にはこれも政権のおごりで、国会など国内論議を飛び越して海の向こうで早々と新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)に合意▼翌28日はまだ「戦争法案」は国会に提出されてもいないのに、これも早々に今夏の成立を米に約束。これらは国会で野党の一斉追及必至だが、これにより自衛隊は事実上米軍の指揮下に入り、日本はいつでもどこでも「戦争できる国」に踏み出す▼あすは憲法記念日、5日はこどもの日、10日は母の日だが、憲法無視の安倍軍拡政治で子や孫たちの未来に脅威が迫っている。(上地義男)
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