石垣市自然環境保全条例に基づき指定された希少野生動植物の保全種103種は1日から、島内全域で捕獲・採取などが禁止される。違反すると30万円以下の罰金。於茂登岳を中心とする保護地区(1730㌶)では、同条例に具体的な規制がないことから、市は保全種以外の動植物について捕獲・採取を控えるよう協力を求めていく。市は当面、職員によるパトロールで注意を喚起、8月までには監視体制を構築する予定だ。
保護地区について条例は、保全種を将来にわたって保護することが必要な地区と位置づけているが、保全種以外の動植物の規制を盛り込んでいない。このため市は「全ての動植物について捕獲・採取を控えてください」と呼び掛ける対応にとどめ、今後の状況をみながら条例の一部改正を検討していく。
一方、昆虫研究者や愛好家からは「アマチュアの昆虫採集が新種発見にもつながっている」として採取禁止に対する反発も上がっており、市は近く調査・研究などで捕獲・採取を認める例外規定の詳細を定めるなどして対応することにしている。
市は1日以降、環境課職員によるパトロールを実施し、昆虫採集者らにチラシを配布するなどして周知する他、8月までにボランティアによるパトロール体制を構築する予定。腕章を与え、指導法などを統一する。
慶田盛伸環境課長は「於茂登山道から嵩田に抜ける道路沿いのウラジロエノキは、樹液で虫を集めるため皮が剥がれて枯死しており、ネット上では昆虫が1匹60万円で売られるなど、看過できない状況にある。市民が見ることで抑止効果になるのではないか。協力をお願いしたい」と話している。