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辺野古「ノー」でエール

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 ■「辺野古基金」で世論喚起へ

 

 ここ1週間の本紙記事で特に注目した記事が三つあった。一つが名護市辺野古での新基地建設反対で国内外の世論を喚起するための「辺野古基金」創設。二つめが八重山での辺野古移設反対の支援組織設立。三つめは自衛隊配備で石垣島は7カ所が候補地に上っていることが分かったことだ。

 辺野古基金は、名護市辺野古の新基地建設で政府と対峙(たいじ)する翁長雄志知事を支援する県内経済人や県議会与党、有識者らが9日に設立した。

 共同代表には金秀グループの呉屋守将会長のほかに元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏、昨年の知事選で翁長氏を支援した俳優の故菅原文太氏の妻文子さんらが決まっているが、さらに5月の設立総会までに知名度の高い有名音楽家や女優、大物作家などにも共同代表を依頼。辺野古反対を国の内外にアピールすることにしている。

 確かになりふり構わず建設を強行する政府の暴挙にブレーキをかけるには世論の力が大きい。13日放送のNHK世論調査では、普天間移設賛成26%、反対21%、どちらともいえない44%と賛成が多い。しかし政府の沖縄対応は適切16%、適切でない34%、どちらともいえない41%と政府に批判的であり、やはり世論対策は急務の課題だ。

 

 ■八重山からも声上げる

 

 既に数億円の寄付申し出が来ているという同基金では、米紙や全国紙への意見広告などで国内外の世論喚起を計画しているが、他にもあの手この手で全国の人々に過剰警備など沖縄の実情を伝え、理解を求める必要がある。

 その厳しい闘争を支援し建設を断念させるため、八重山でも「辺野古新基地建設中止を求める八重山の会」(慶田城用武、入嵩西整、高嶺善伸共同代表、幹事31人)が10日発足した。

 実は同会は、去る2月に石垣市の4人の保守系議員が、ボーリング調査の警備に当たる海上保安官激励のためキャンプシュワブを訪れ、反対住民のひんしゅくを買ったこともあり、その反対住民らに八重山からエールを送り、建設阻止支援のため設立された。

 同市議らは石垣市で海保は尖閣を守り、離島の急患輸送を担って市民は感謝しているとして、座り込みの反対住民らに演説をはじめようとして「お前らは議員じゃない。右翼だ」などと怒りを買い、追い返されたという。

 八重山でも辺野古と思いを共有している郡民は少なくない。カンパなどそれぞれができる形で支援したい。

 

 ■市民対立の要因は排除を

 

 石垣市への自衛隊配備に関しては、昨年2月の市長選で複数の候補地が県紙で報道され、当時の防衛相が選挙への影響を恐れ新聞協会に異例の抗議をして物議をかもした。しかしその正しさが今回日本共産党の調査資料検証で裏付けられた。同党八重山郡委員会は秘密裏の調査に抗議し、石垣市と防衛省に配備反対と撤回を求めたが、確かに日米で八重山も含めて沖縄にだけ国防の最前線を担わせるのは理不尽だ。

 与那国の自衛隊配備でみられるように、市民同士が対立しては「日本一幸せあふれる石垣市」は望めない。中山義隆市長はその阻害要因となる災いの種を事前に早く排除すべきだ。


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