石垣市は3月までに水族館建設推進基本計画を策定し、ホームページ上で公表している。マンタやサンゴ、ウミガメ、シュモクザメの海として各展示水槽を設けるなど、海域の自然環境を疑似体験できる機能を盛り込んでいる。事業費が80億円近くと莫大(ばくだい)で具体化するめどは立っておらず、基本計画では国・県・民間企業に積極的に協力を呼びかけるなどして事業費を確保した後、基本設計、実施設計と進めていく、としている。
計画は施設整備の基本方針に▽観光振興▽教養・学習施設▽地域交流▽調査研究▽種の保存−を据え、これに見合った機能を想定。陸域の自然環境を疑似体験できるコースも設定した。施設構造は地上3階建てを想定。
11候補地から選定した6候補地をモデル地とし、最も評価の高かった桴海地区で事業費や施設配置などのシミュレーションを行った。
概算工事費は79億5000万円、維持管理費は6億8800万円と試算。年間入場者数を50万人に想定し、入館料や売店・食堂などを合わせた年間収入を7億7000万円と見込む収支計画も出した。
桴海地区はあくまでも事業費を試算するためのモデルケース。具体的な建設候補地については事業費の確保にめどがついた段階で検討する必要があるとしている。施設が大規模で取水工事もあることから、周辺住民との合意形成の重要性、八重山漁協との調整の必要性も指摘している。