【愛知】渥美半島・伊良湖岬を舞台にした島崎藤村の叙情詩「椰子(やし)の実」を再現するやしの実投流の返還式が4日、田原市伊良湖町の伊良湖シーパーク&スパで行われ、投流者と拾い主が対面を果たした。
27回目の投流となった昨年6月1日、伊良湖岬に流れ着くことを願いながら石垣島沖からやしの実102個が放たれた。
このうち、浜田真吾さん(39)=田原市=と河合秀樹さん(73)=豊橋市=のやしの実が、8月8日に長崎県西海市で宮崎裕美さん(34)、8月17日に和歌山県串本町で米山良一さん(80)によって海岸で拾われた。
式では、拾い主の宮崎さんが浜田さんに、欠席した米山さんに代わってミス八重山の2人が河合さんにやしの実を返還した。
浜田さんは「夢を買ったようなもの。拾ってくれる人に会えるなんて」。河合さんは「奇跡だと思いました」と驚きと感動を語った。
やしの実は、これまでに3012個が流され、122個が日本各地に流れ着いている。(東愛知新聞社提供)