石垣市はふるさと納税制度で、1万円以上寄付する人たちへの返礼品の還元率を現行の20%程度から一律40%に引き上げてポイント制を導入するなど、改善に向けた準備を進めている。還元率の見直しについて担当の企画政策課は「他の自治体の還元率を参考に、競争力をもたせる割合に設定した」としている。特典品の開拓・カタログ作成、手続き時間の短縮も進め、今夏から実施する予定だ。
ふるさと納税は制度改正により、1月から実質2000円の負担でこれまでの2倍の返礼品を受けられるようになり、4月以降は控除に必要な確定申告が不要となっているため、寄付者の増加が予想され、自治体間競争も激化するものとみられている。
市は今回の見直しで、ネット上で納税する寄付者に対応するため顧客データ管理システムを導入。新規顧客に対してID(身分証明書)を付与、1万円以上の入金額の40%に当たるポイントを与え、ポイントを使って返礼品カタログから特典を選んでもらう仕組みをつくる。
顧客データ管理システムにより、手続きの迅速化が図られ、入金から特典発送までの期間を最大3週間短縮し、寄付から数日後には返礼品が届くようにする。
特典品は現在、16点だが、これをさらに充実させ、専用カタログを作成して特産品をPR。自主財源の確保のほか、特産品の振興にもつなげていく考えだ。
市にふるさと納税で入った寄付金は2012年度から順に138件1196万円、210件918万円、263件1344万円。市は、まちづくり支援基金として▽伝統文化の保存継承▽教育・少子化▽環境保全▽福祉▽地域コミュニティー活動―など六つの事業に活用している。
【ふるさと納税】
自治体に対してふるさと納税(寄付)すると、寄付額のうち2000円を超える部分について原則、所得税・個人住民税から全額控除される制度。1月から納税枠が2倍となっている。4月以降は、五つの自治体までの納税については確定申告する必要がない。