【西表】3月19日に操業が始まった竹富町西表製糖工場は1日までに12日間操業し、合わせて1000㌧を超える原料を処理した。同工場を運営する西表糖業㈱によると、操業開始から10日間の原料処理実績では、前期の旧工場(1日の処理能力80㌧)が686㌧だったのに対し新工場(同100㌧)は858㌧と1日当たり約17㌧増加し、順調に稼働している。平均糖度は3日までに16度(前期15・16度)と高い状態だが、これから気温が上がることで低下も懸念されている。
町内では、昨年1月に新工場で稼働した町波照間製糖工場が操業直後に機械トラブルがあったため、「西表製糖工場は大丈夫なのか」と工場への問い合わせも多く、順調な滑り出しに農家や関係者は胸をなで下ろしている。
同工場の大嶺誠管理課次長は「操業前に試験運転や調整を繰り返していたので圧搾も落ち着いている。操業後、最大で1日108㌧を圧搾しており、予想以上に順調だ」と話した。
町農林水産課は同工場整備工事の遅れに伴う農家支援の一環として、波照間島と小浜島から刈り倒し機3台を西表島に輸送。オペレーターも配置し、西表島にある1台と合わせて4台で刈り取っている。
刈り倒し機の導入で農家の負担も軽減されているようで、「1人当たり1日1㌧」と言われる刈り取り作業も1人で1日1.7~1.8㌧刈り取る農家も出ている。多い場合には1軒の農家で10人近くが刈り取りに当たっていることから、18~20軒の農家で合わせて1日100㌧超を搬入することもあるという。
今後の気温上昇で刈り取り作業員の負担が増加することから、同課では4月から刈り取り作業員の雇用1人につき1日500~2500円を段階的に支給することにしており、支給基準などについて西表島さとうきび生産組合と調整を進めていく。
大嶺次長は「作業員の不足が心配だったが、刈り取り機のおかげで順調に進んでいる。気温が上昇する5月以降の黒糖の品質と刈り取り農家の熱中症などが心配だ」と懸念する。