地域を交えた介護と医療について考える講演会「地域がハグむ大往生の島プロジェクト~最期を楽しむ~」(沖縄がん心のケア研究会主催)が21日午後、石垣市健康福祉センター2階視聴覚室で開かれ、山口県周防大島町医療法人おかはら会の岡原仁志理事長が講演した。会場には市内の医療や介護、福祉事業の関係者約70人が詰めかけた。
自らの体験談を交えながら講演した岡原氏は、在宅や院内医療を通して、島で最期を迎えるがん患者の現状や患者の家族を含めたサポート体制の必要性を訴えた。
岡原氏は「人は誰でも最期の日が来る。死を通して生を見る”死生観”を持ち、家族と楽しみながら最期を迎えるのもいいのではないか」と語り、訪問医療時には着ぐるみなどの仮装で訪れ、ダンスなどのレクリエーションで現場の雰囲気を楽しくする方法などを紹介。
岡原氏はまた、相手を抱擁する「ハグ」を通して患者や家族、医療スタッフとのスキンシップを図る重要性を説き、「高齢者の孤独死をなくすには地域医療と介護が必要。患者が笑顔で暮らせる街づくりの一つとして、ハグを日常生活に取り入れてほしい」と呼びかけた。