全国ネットでも放送された「稲を食べるカピバラ」。観光施設から逃げ出したとみられ、石垣島の温暖な環境下で野生化し、稲を食い荒らしている。市の申請で県が18日付で有害鳥獣に指定したのを受け、石垣市は猟友会と連携し、カピバラの捕獲に乗り出す。
カピバラは南米アマゾン川に生息するネズミの仲間で、体長1・3㍍、体重60㌔以上に成長する地球上に存在する最も大きいネズミといわれる。
野生化しているカピバラは名蔵地区に生息しているとみられ、現地の水田で水稲に被害が出ている。
名蔵大田原に水田がある豊川善一さん(75)=登野城=は18日午後、水田でカピバラを発見。「最初はイノシシかと思った」というほどの大きさだったといい、3本指の足跡と刈り取った跡のように食べられた稲を確認した。「浅いところが歩きやすいのか、食われた所は全部浅いところ」と順調に育った稲の被害に肩を落とす。
先月、植え付け前の稲が被害に遭った上地国博さん(74)は「稲は植え付け後40~50日で根切りのために水を抜く。水田が乾いた状態の時にカピバラにやられると致命的」と話した。
市農政経済課によると、カピバラはこれまで有害鳥獣の指定外。被害農家から捕獲依頼があったが、対応できずにいた。
だが、野生化し、農作物に被害が出ている現状を受け、県が有害鳥獣に指定したことで、1年間捕獲が可能になった。
市はクジャク用の箱わななどで捕獲を計画。九州でカピバラを飼育している施設から習性や好物などを聞き、準備を進めている。だが「クジャク用のわながカピバラにどこまで有効なのか分からない」(市担当者)としている。
八重山保健所では「捕獲の設備やノウハウなど協力できる所はある」と市からの協力要請があれば応じる構え。捕獲した場合、島外の施設が引き取りを希望している。
カピバラは移動すると捕獲が難しくなるだけに、稲の根切り時期も合わせ、早めの捕獲が待たれる。