竹富町が2015年度に一括交付金を活用して実施を予定している町民等船賃負担軽減事業では、町民が現行価格の半額以下で離島航路を利用できるように調整していることが分かった。実施時期は未定。価格(町負担額)も国・県と調整を進めている段階だが、東金嶺肇商工観光課長が17日の町議会3月定例会一般質問で大久研一、東迎一博両氏の質問に答えた。
同事業では、現行の船賃価格から燃油サーチャージ料金を差し引いた運賃を距離に応じてJR並み料金に設定。これに燃油サーチャージを足した価格で町民は船に乗ることが可能となる。石垣波照間、白浜船浮間は燃油サーチャージが設定されていないため、町民負担はさらに安くなっている。同事業費として町は新年度予算に1億6000万円を計上しており、川満栄長町長は「県の事業を高速船に適用できないか改善を訴えてきたが、方向性を見いだせないことがはっきりした」と述べ、町独自でJR並み運賃の実現を図ることに理解を求めた。
町商工観光課の東金嶺課長は「まだ国・県との最終的な調整ができていない。それが終わるまではこれまでの県の沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業を活用し、調整終了後にはスムーズに町民等船賃負担軽減事業に移行できるように取り組みたい」と述べ、「調整中」の価格であることを強調した。
同課によると、町内各離島と石垣港を結ぶ離島航路に13年度からJR並みの運賃を目指す県の沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業が適用され、運賃が割り引かれてきたが、対象が貨客船のため、貨客船よりも運賃が高い高速船ではJR並み運賃よりも高くなっているのが実情。
町は高速船の運賃をJR並みにするため一括交付金を活用した町民等船賃負担軽減事業を導入し、町民の負担軽減を図る。