【与那国】与那国町議会の糸数健一議長と大宜見浩利副議長が17日午前、同議会事務局(米城資晴事務局長)に辞職届を提出した。18日の本会議で取り扱いを協議する。陸自基地配備への賛成が過半数を占めた住民投票の結果を受け、今後の配備推進に向け野党多数の議会勢力を見直す狙いがあるとみられる。
糸数氏は八重山毎日新聞の電話取材に「野党多数のままでは、何もかも否決されかねない」と辞職の理由を話した。両氏が辞職することで、再び与野党同数からの議長選出となり、難航が予想される。
糸数氏は、改選後の初議会となる昨年9月議会で、野党の崎元俊男氏と議長選で3票の同数から地方自治法に基づく、くじ引きで議長に就任。このことで議会勢力が野党多数となり、これまでに、中学生などにも投票権を持たせて2月22日に実施された陸自配備の賛否を問う住民投票の条例案を可決したほか、町が上程した配備予定地内の町道廃止案を否決するなど、陸自配備関係議案を常に野党が主導権を握ってきた。
また、今後も配備に必要な工事に反発する構えを示している。
糸数氏は「野党多数のままでは、何もかも否決されかねない。議長を辞職し1人の議員として与那国の未来のため、自衛隊配備に向けて取り組んでいく」と話した。
辞職届について野党の田里千代基町議は「いきなりで驚いている。与党の議長として最後までその職務を果たしてもらいたい」と述べた。
大宜見氏は糸数氏が副議長に指名したため「議長が辞職するなら、一緒に辞職する」との姿勢。
外間守吉町長は「辞職届が受理され、新たに議長を決める際には投票ではなく、話し合いで決めてしっかりと協力体制をつくってほしい」と要望した。