特別に支援を要する乳幼児期から青年期の教育について専門的な立場から相談業務を行うため、石垣市は4月から、市教育委員会に初めて常勤の臨床心理士2人を配置し、相談支援体制を強化する。従来の子育て相談員5人に、専門性の高い助言ができる臨床心理士2人を加えた7人体制で業務に当たる。新年度一般会計予算案に「気になる子のすこやかな学びの支援事業」として1108万円を盛り込んだ。市教委は予算案の可決後、臨床心理士の確保に全力を挙げるとしている。
市教委は、気になる子やその保護者に対して早期から一貫した支援体制を構築することで、特別支援教育や幼児教育の充実につなげていく考え。これが授業運営の手助けとなり、子どもたちの学習意欲の向上にもつながると期待する。
新年度は、幼稚園と小中学校に臨床心理士らを派遣して相談を実施、本人や保護者の不安感を最小限にとどめて学習環境の整備に取り組む。
学校以外でも適応指導教室や青少年センターなど関係機関への派遣も予定している。
市議会一般質問で13日、石垣涼子氏が同事業を取り上げ、成底啓昌教育部長は「臨床心理士と子育て相談員を派遣して支援体制の充実を図る」と答弁した。
石垣氏は「臨床心理士が常勤するのは非常に大きな意義がある」とし、健康福祉センターを中心に関係部課で進めている発達支援システムの構築を加速するよう求めた。
長嶺康茂市民保健部長は「専門職員の必要性を感じており、教育委員会の臨床心理士を活用できないかと思っている。本年度は市教委の関連事業の予算で対応しているが、必要となれば予算を組んで対応したい」と述べた。