日本在来馬8種類が生息する地を巡り、日本固有馬が減少している現状を訴え、保護につなげようと、北海道の在来馬「道産子」に乗って日本縦断をしている北海道大学獣医学部の山川晃平さん(24)=和歌山県出身=が3日、ヨナグニウマが生息する日本最西端の与那国島でゴールする。
山川さんは2014年8月30日に札幌市の同大を出発。本州を縦断して長野、愛媛、宮崎、長崎、鹿児島、宮古島と南下。2月28日に石垣島に到着した。出発から7カ月後の3日、フェリーで目指す与那国島に渡る。
旅の”同行者”は同大で飼育されていた栗毛(くりげ)の「道柳」(みっちー・オス)と川原毛の「道雪」(ゆっきー・同)。知人の牧場主を通して買い取った。馬の背には寝袋や食料、餌となる飼料、専用のサプリメントなど約60㌔の荷物を乗せる。
山川さんは「2頭の生命を預かる立場として餌や水、宿の確保に苦慮した。自分が2度、体調を崩して入院し、気が休めない毎日だった」と振り返る。
ゴールの与那国島への出発を前日に控えた2日、「島に道産子が来るのは初めてと聞き、子どもたちに在来馬の存在を知ってもらいたい。この旅で自分と馬が互いに成長し、絆ができた」と目を輝かせた。
山川さんの夢は「人と動物の間に立つ獣医師」。