昆虫に詳しい早稲田大学の池田清彦教授らが2日、石垣市役所で中山義隆市長らと面談し、市が予定している希少野生動植物の保全種・保護地区指定の素案について、イシガキニイニイ以外の種は国の基準では絶滅に瀕している種ではないとして保全種の範囲の見直しを要望した。保護地区の設定についても、国の特別保護地区以上の範囲を設定する必要性は薄いと指摘した。
池田会長は「コアな部分だけ規制し、それ以外は緩めるという形にしてもらいたい。アマチュアの研究者が来ることで調査ができる。それを出してもらって資料を収集するほうが生物多様性保護につながる。いろんな人が調査できるようにしてほしい」と述べた。
中山市長は「貴重な意見をいただいた。内部で話し合いたい」と応じた。
市環境課によると、市民を対象とする素案のパブリックコメント(市民意見募集)は1月13日から2月12日まで行われ、市内から50件、市外から106件の計156件と多く寄せられ、関心の高さを伺わせる結果となった。
市は、寄せられた意見について対応方針案をまとめ、3月中旬に開く自然環境保全審議会で議論してもらう。答申は4月以降を予定する。