きょう3月3日は「桃の節句」で、平安時代から続く女 の子の祭り。病気や事故から守ってくれるひな人形を飾り健やかな成長を祈願する年中行事。明治時代以前は、旧暦で行われていた▼中国では、桃は邪気をはらうと仙木とされ、日本でも桃は魔よけとして使う。ひな人形は、子どもの災厄の身代わりとなって守ってくれるため、節句が終わると早くしまわなければ縁起が悪く、片付けが遅れるとお嫁に行くのが遅くなるとも言われる▼草もちには邪気を払うよもぎを入れ、心臓を表すひし形として、災厄を除こうとする親の気持ちを込めているらしい。沖縄では、ひな人形を飾る習慣が定着したのは比較的新しいが、旧暦3月3日は、ひな祭りに行われていた「磯遊び」が「浜下り」として伝わっている▼ひな祭りと言えば、中学時代の同級生の顔を思い出す。性同一性障害で、いつも女子とあやとりやゴム跳びなどをして遊んでいた。姿は男、心は女の子だ。素晴らしかったのは同級生がそれを理解し、個性としてとらえて普通に接していたこと▼他の学校の誰かがいじめようとすれば、女子、クラスメートが結束して猛抗議し、かばった。いまから47年も前の話だ。学校には不良もいたし、いろいろな問題行動もあった。しかし生徒全体が優しかった。思いやりにあふれていた。それが中学時代の自慢だ。(黒島安隆)
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