総合衣料品の大手、㈱しまむら(野中正人代表取締役社長)が、若年層をターゲットにしたカジュアルブランド「アベイル石垣店」を今夏、出店することが25日分かった。自社の子ども用品ブランド「バースデイ」(市内真栄里)の近接地で3月16日に着工することになっており、相次ぐ島外企業の出店で市街地東側への消費者の流れはさらに強まりそうだ。同社は「出店は以前から計画し、長期的な需要を見込んでいる。石垣は売り上げが見込める地域」(企画室担当者)としている。(砂川孫優記者)
アベイルは15~35歳の男女がターゲットで、しまむらは全国で約280店を展開。石垣では約2295平方㍍の敷地に床面積1100平方㍍の1階平屋建て鉄骨造りの店舗を整備し、6月中旬に完成予定。アイテム数や雇用人数、年間売り上げなどの詳細は未定。
しまむらグループの店舗としては石垣島で3店舗目。アベイルとしても県内3店舗目。
■購買サイクル
同社は今回の出店により、石垣島の消費者を囲い込みたい考え。幼児期から小学1年生層をバースデイ、小中学生層をしまむら、中学生から35歳までの層をアベイルに呼び込み、世代ごとの購買サイクルを構築していく戦略だ。
同社の企画室担当者は「積極的な店舗展開を進め、各ブランドのターゲットを埋めたい。今回はしまむらブランドの次につなげるブランドとして周知させたい」と語った。
■活性化にも「不安」
市街地東側への相次ぐ出店に市内真栄里に住む主婦(35)は「新規出店は歓迎だが、主要道路の交通渋滞や交通量が増えて子どもの登下校が不安」と話し、会社員の男性(43)は「街が活性化するのはよいが、県外企業に地元の所得が吸い取られる。観光客の増加で石垣は県内消費のターゲットだ」と話す。
市街地中心部で独自ブランドの洋服を販売する30代の男性は「大型店舗と路面店の善しあしはあるが、東側に客が流れそうで不安」と複雑な表情で語った。