石垣市立学校給食センター運営委員会(委員長・浦崎喬登野城小校長、委員20人)は30日午後、同センターで臨時会を開き、来年度から適用する給食費の値上げ案を決めた。値上げは25年ぶり。小学校は1食あたり30円増の235円(保護者負担額193円)、中学校は40円増の265円(同220円)とする。同センターでは2月4日ごろに食育便りで各家庭に周知し、17日に受配校のPTA会長との話し合いで保護者の意見を聞くことにしている。20日の市教育委員会の2月定例会に諮り、承認されれば4月から適用される。
給食費は1990年度から24年間、小学校205円、中学校225円のまま据え置かれてきた。同センターの宮良信世所長によると、昨年4月の消費増税時も値上げせずに対応してきたが、メニューを考える上で限界に達し、値上げを検討することになった。
内原たみえ栄養教諭は1食分の月平均金額で、現行から小学校30円、中学校40円を増額した場合の栄養摂取量を紹介。補強するよういわれているカルシウムや鉄、食物繊維などの充足率を比較し、「現行だと野菜類が不足しているのが分かる。最低でもこれだけ増額できれば食育を考える上でもよりよいメニューを提供できると思う」と説明した。
また、パンやご飯、牛乳などの基本物資の価格上昇で、おかずなどの副食費を切り詰めなければならず「地元業者から食材を仕入れることがなかなか難しい状況」といい、「値上げせざるを得ない。地元の食材を使ったメニューを提供することで(地元も)潤っていくのでは」とも述べた。
委員からは「県内で石垣市だけが突出して上がってしまうと反発につながる可能性があるが、範囲内だと思う」などの意見があり、おおむね提示された案に賛成した。