与那国町は、姉妹都市の台湾・花蓮市との交流や国境離島としての独特な文化、歴史などの発信拠点として整備する「与那国島歴史文化交流資料館」(仮称)を2015年度中に開館させることにしており、資料の収集作業を行っている。これまでに、明治時代の町民の生活風景や沖縄が日本に復帰した当時の町の様子、祭事などを撮影した写真や、きねや臼といった農機具など貴重な資料が集まっている。
同資料館は、与那国島ならではの「食」(食文化体験)、「唄」(郷土芸能の発信)、「風」(周辺地域との交流、歴史などの発信)を通して島の文化を内外に伝えるもの。
実施設計は昨年末に終了。建物は、鉄筋コンクリートを取り入れた木造平屋で、延べ床面積563平方㍍。総事業費は3億1000万円。与那国中学校体育館の北側に建設を予定している。
町では同資料館の整備を通じて、島の歴史や文化に関連した新たな観光ニーズの掘り起こしやリピーターの拡大、島外の地域との文化交流の発展を期待している。
町と花蓮市の姉妹都市締結は12年に30年の節目を迎えた。町は同資料館に交流の歴史をまとめた資料や文献などを展示し、子どもたちの教育や今後の相互交流の発展につなげていきたい考え。
町総務財政課交流班の長浜利典班長は「島外の人でも与那国町に関わる資料や品物などがあれば教えてほしい」と情報の提供を呼びかけている。