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「辺野古」推進かストップか

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■未来永劫基地を受け入れるのか

 先月30日にスタートした県内最大の政治決戦である県知事選は、きょうで17日間の選挙戦を終え、いよいよあす16日の投開票(竹富町は繰り上げ投票)で110万有権者の審判が下る。

 県内各メディアが発表した序盤から中盤にかけての情勢調査では、前那覇市長で無所属新人の翁長雄志氏(64)が先行、これを3選を目指す現職の仲井真弘多氏(75)=自民、次世代の党推薦=が追い、両氏に元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)、元参院議員の喜納昌吉氏(66)=いずれも無所属新人=が続く展開となっていたが、終盤の戦いでこれがどう動いたか。国の押し付けを容認し、未来永劫(えいごう)基地被害を受け入れるか拒否するか、沖縄の未来はあすの投票で決まる。

■辺野古移設どう判断

 今回の選挙は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、異例の展開となった。これまでの知事選は保守と革新が対決する構図が長く続いてきたが、前回県外移設を主張して再選を果たした仲井真氏が今回、公約を破棄して辺野古移設に転じたことに、オール沖縄で移設反対とオスプレイ配備反対を訴えてきた元自民県連幹事長で前回仲井真氏の選対本部長を務めた翁長氏が反発、袂(たもと)を分かったことで初めての保守分裂選挙となった。

 これに今回、革新政党が保守の翁長氏に相乗り。さらに前回まで仲井真氏支持だった公明が、同氏の公約破棄の辺野古移設容認に反発して自主投票に回り、異例の選挙構図となった。その結果は果たしてどう出るか。

 今回の選挙で最大の争点となった辺野古移設に対する4氏の主張は明確。その中で仲井真氏は「普天間の一日も早い危険性除去が先決」として、肝心の米軍は否定するが、安倍首相が確約したとして「5年以内の普天間閉鎖実現」を主張。これに対し翁長氏は「辺野古の新基地建設を許せば、また沖縄は金目でどうにもなると思われる。知事や(自民県連の)政治家はぶれたが、県民はぶれていないことを国にしっかり示そう」と移設反対を訴える。

 さらに下地氏は「県民投票」、喜納氏は「知事の埋め立て承認取り消し」を主張するが、果たして有権者はどう判断するか。特に同問題では、有権者に深刻な政治不信を与えた知事はじめ県選出自民党国会議員や県連などの公約破棄と、沖縄の声に全く聞く耳持たぬで基地を沖縄だけに押し付ける国の理不尽な差別や強引な手法にもしっかり県民の意思と意地を示すべきだ。

■離島振興に理解深まる

 知事選や衆参選挙は候補者不在で離島は盛り上がりに欠けるが、今回も各選対の取り組みで八重山向け政策が発表され、関心を高めた。離島振興策を取りまとめたものだが、政策を見るとひところに比べ離島に対する細やかな目配りが出てきたのはうれしい。政治の力で住みよい離島にしてほしい。

 その中で八重山は自衛隊配備が争点だが、仲井真氏が容認に対し革新が支援する翁長氏は賛否を明確にしていない。そこがやはり保守系ということだろう。しかし自衛隊も軍隊であり、辺野古の新基地と同様、沖縄はこれ以上基地負担を負わされるべきでない。


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