少雨傾向で水道用水を確保するのが困難になっている状況を受け、石垣市は20日から、午後11時―午前6時までの夜間制限給水を実施する予定だ。市が給水している石垣島の2万2888世帯、竹富島の182世帯が対象。期間は決まっておらず、少雨傾向が続けば長引いたり、制限時間が拡大するおそれも。まとまった雨量があれば、給水制限も解除される見通し。市水道部の与那国明弘部長は「状況をみながら検討したい」と話している。
水道部は12日、県八重山合同庁舎で利水関係者を集めて開催された宮良川地区渇水調整協議会(会長・添石清包八重山土木事務所長、委員8人)で、制限給水の実施時期を報告した。
協議会によると、水道部は真栄里ダム、白水河川、地下水の取水施設で水道用原水を取水しているが、少雨の影響で白水河川からの取水が例年の約半分に減少。真栄里ダムも、10月までの3カ月雨量は1984年12月の管理開始以降で最少となっている。
水道部は現在、地下水から取水量の割合を増やしているが、取水施設の能力が限界に達しているほか、これ以上地下水を増やすと硬度が高くなるなど水質にも影響が出てくるという。
真栄里ダムの貯水位は11日現在、標高33・73㍍で、このままだと1月中旬から2月末にかけて、取水ができなくなる最低貯水位(標高29㍍)に下がる見込み。白水の原水調整池も水位も下がっており、今後の水量を確保するため夜間の制限給水に踏み切る。
与那国部長は「市民の日常生活や社会経済活動に影響が出ることを心配しているが、この渇水状況を乗り越えてもらいたい」と述べ、理解と協力を求めた。