【小浜】国の重要無形民俗文化財に指定されている竹富町小浜島の結願祭が26日、嘉保根御嶽で行われた。北集落のミルク、南集落の福禄寿をはじめ、両集落が棒術や伝統の踊り、狂言など多彩な奉納芸能を交互に披露。 会場には地域住民のほか、郷友や観光客も多数詰めかけ、島の伝統行事を楽しんだ。結願祭は今年の豊作に感謝し、来年の五穀豊穣(ほうじょう)や住民の無病息災を祈願する島の三大行事の一つ。2007年3月に国の重文に指定された。
結願祭は午前9時ごろから同御嶽で行われ、北集落がミルク、南集落が福禄寿を先頭に静かに入場。勇壮な棒や獅子舞を奉納した。
棒では、ヤリやなぎなたなどに加え、クワや赤フンドシ姿のこっけいな「3人棒」もあり、観客の笑いを誘った。
奉納後には境内中央に舞台が設置され、「ザーマワリ(座回り)」と称して北のミルク、南の福禄寿がそれぞれ子どもや出演者を引き連れて舞台をゆっくりと一周。その後、北が「御前風」や「マミドーマ」「小浜節」、南が「赤馬節」や「目出度節」「馬武者」などの踊りや狂言を披露した。
小浜公民館の浦底透館長は「地域の芸能文化に誇りを持ち、後世に引き継いでいくとともに、今年の豊作に感謝し、五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄を祈願したい」とあいさつした。