宮古郡民が官民一体で建設を進めてきた「伊良部大橋」の連結式が去る9日にあり、伊良部島と宮古島がついに待望の“橋”で結ばれた▼正式には来年1月31日から開通するが、連結式に出席した地元の人たちは「宮古圏域の発展に新たな歴史を開いた」と万歳で最初の要請から40年を経た「夢の大橋」実現を喜んだ▼全国的に離島地域は、「架橋」に離島苦解消と島の活性化を委ねる傾向があるが、宮古も来間、池間両島に続いて今回、伊良部と主要な離島は多良間を除いてすべて橋で結ばれた▼しかし、宮古より離島の多い八重山はなぜか架橋が一つもない。お隣さん同士で両極端は確かに不思議だ。そこには歴史的な背景や地理的条件などから来る島民性や文化の違いも理由としてあるのだろうか▼ただ八重山も本土復帰以前に当時の石垣喜興市長が、石垣島と竹富町の島々を橋で結ぶ「夢の5橋」構想を提唱。さらにその後1989年に町役場の西表移転に向け小浜—西表架橋計画が活発化したが、頓挫。その後動きは全くない▼結局、八重山は架橋のメリットより橋を架けないメリットが島の独自性が守られることや滞在型観光などで大きいということだろう。確かに架橋には、日帰り観光の増加や交通量の増加に伴う事故の不安などデメリットも少なくない。(上地義男)
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