石垣島で栽培が盛んになりつつある紅イモ「沖夢紫」の芋畑に17日、紅イモ産地として有名な読谷村から生産農家や加工業者ら12人が研修に訪れた。来月には嘉手納町から視察の予定があるなど、生産から加工・販売まで一貫して品種自体をブランド化しようという石垣島での取り組みに関心が集まっているようだ。
読谷村で紅イモを加工している農業生産法人㈲アグリよみたん苑の知花昌彦代表取締役社長によると、読谷村でも「沖夢紫」の製菓をブランド化しようという取り組みが展開されたが、収穫後の痛みが早かったため、頓挫した経緯があるという。
旧石垣市給食センター北方の芋畑を訪れた知花社長は「とてもおいしいイモだが、扱いにくく、ブランド化できなかった。日持ちしないので、すぐに加工すればブランド化できるのではないか」と話した。
知花社長らと意見交換した地元農家、大城智芳さん(48)は「僕らの場合は近くに工場がある」と話し、ペースト状に加工している農業生産法人㈲石垣島薬草研究会の運道和直代表取締役は「加工するまでの時間を短縮することで課題をクリアできる。あとは処理能力の問題」と指摘した。
研究会によると、処理能力は1日当たり600~700㌔で、需要に追いつかないという。
このため、石垣市は加工施設の導入に向け、生産農家や加工業者も加えた甘しょ振興協議会で、具体的な検討を行っている。