乳幼児から就労まで一貫した発達支援の構築に取り組んでいる石垣市は、発達支援が必要とみられる子どもたちがどれくらいいるか把握するため、保育園から高校まで全ての教育施設を対象にアンケートを行っている。医学的な見地からの専門調査ではなく、教育現場で発達が気になっているケースがどれくらいあるか総数を確認し、来年度以降の取り組みにつなげていく考えだ。
アンケートは子どもたち全員についてクラス担任に対し▽特別な支援は必要ない▽特別な支援の必要性は判断できないが気になる▽特別な支援が必要である|のいずれかを選択してもらい、具体的に該当する項目を記入してもらう内容。
発達障害については医師の診断が必要になるが、今回の調査ではあくまでもクラスの担任の「印象」を聞き、どのような面で発達支援の必要性があるかないかを判断する基礎資料とする。その上で具体的な支援システムの内容や人員体制の検討につなげる。
同システムの構築に向けて市は、健康福祉センターに併任の保健師を配置。センターを中心に関係各課と意見交換、調整・連携を行っている。アンケートは19日までに回収し、26日には関係各課を網らした発達支援構築検討会議を開く。
前底正之所長は「今回の調査結果を発達支援システムを構築するための基礎資料としたい。今後、必要に応じた支援体制を準備していきたい」と話している。
発達に応じて具体的な支援を行っていくためには、臨床心理士など人材の確保も必要になるという。
発達支援システムについては、市議会は3月定例会で障がい児・者の親の会5団体から提出のあった陳情を全会一致で採択。「(保護者は)心理的・物理的に過大な負担を強いられている現状がある。行政としての支援の不足は否めず、その放置は不適当」として早期の取り組みを求めている。