八重山圏域で自殺で亡くなった人は2013年までの過去5年間で73人に上っていることが、県のまとめで明らかになった。11年の23人をピークにその後は減少傾向にあるが、依然として自ら命を絶つ人がいることから、石垣市障がい福祉課など4カ所で行っている相談業務のほか、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応ができる「ゲートキーパー」の養成も検討することにしている。
八重山圏域ではほとんどが石垣市内での自殺で、男性の割合が85%と圧倒的に多い。年代別でみると、50代が20人、40代が12人、30代が9人と働き盛りの世代に多い。
全国での自殺者は1998年から14年連続して3万人を超えていたが、12年には3万人を下回っている。県内では98年から14年連続で300人を超え、12年に267人と減少したが、13年は278人と増加した。
県内では「健康問題(うつ病含む)」が原因で自殺する人が最も多く、このほか「家庭問題」「経済・生活問題」の順に多い。
石垣市は2年前から、障がい福祉課、福祉総務課、地域包括支援センター、健康福祉センターに「いのちを守るこころの健康相談窓口」を設けており、専門の担当者が相談に応じている。
障がい福祉課の上原斉課長は「自殺者が減っていることはいいことだが、まだ自殺する人がいる。相談に乗ってくれる人がいれば自殺者を減らせると思う。今後はゲートキーパーの養成講座を検討していきたい」と話している。