【西表】国の特別天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコの交通事故防止に向けて、竹富町は27日までに、事故や子ネコの目撃例が多発している西表島高那地区の県道両側に延長600㍍のヤマネコ侵入防止フェンスを設置した。
ヤマネコの交通事故は昨年、過去最多となる6件発生し、5匹が死んでいる。今年は、26日未明に西表野生生物保護センターが保護した幼獣1匹を含めて3件発生、2匹が死んでいる。
同フェンスは、沖縄本島北部地区でヤンバルクイナのロードキル防止に向けて整備されている高密度ポリエチレン製で、高さ1㍍のネットを県道の両側に設置。ヤマネコの交通事故件数を知らせる掲示板も併せて設置した。
総事業費は300万円。町が3分の1、残りを町イリオモテヤマネコ保護基金から拠出した。
町自然環境課は、昨年から今年にかけてヤマネコが事故に遭うペースが短くなっていることを危惧、9月中旬から昼夜のパトロールも予定している。同課の担当者は「夜間のパトロールではロードキルにあった小動物を発見することも多い。フェンスはイリオモテヤマネコだけでなく、他の小動物のロードキル防止に役立つのではないか」と話している。