【与那国】与那国島では7月から少雨傾向が続いており、サトウキビでは、葉が丸まるロール現象に加え、枯れあがりも始まっている。今期の生産量は4174㌧を計画しているものの、町産業振興課では「立ち枯れや収穫への影響が懸念される」と危機感を募らせており、4台の散水車をフル稼働させ、ほ場へのかん水に取り組んでいる。生産農家は「このままでは収穫ができず、破産する」と悲鳴を上げている。
石垣島地方気象台によると与那国の7月の降水量は36㍉で、平年の138.5㍉の約4分の1、8月は平年212.5㍉だが、24日までに19㍉しか降っていない。9月も晴れの日が多く、少雨傾向が続く見込みという。
町産業振興課によると、現在、植えられているサトウキビの面積は100㌶。そのほとんどでロール現象が現れている。農家は新植夏植えも見合わせている。
祖納に住む50代の農家の男性は「キビが立ち枯れ状態で、このままでは収穫できない。自分たちは破産するしかない」と訴える。
町は19日、干ばつ対策協議会(会長・外間守吉町長)を開いて対策を協議。散水車を使ったほ場へのかん水を決め、ほ場10㌃あたり30㌧を目安に散水を実施。これに伴う費用は1㌧につき100円を農家から徴収。残りの約8割を町とJAおきなわ与那国支店で負担している。
現在、10㌧タンクを積んだ業者のトラック4台が作業にあたっている。