第96回全国高校野球選手権大会で、沖縄尚学の安里健(たける)選手(3年)は20日、二松学舎大付属高校戦に4番三塁手で先発出場。5対5の同点で迎えた九回裏、1死二塁の好機で、左中間を深々と破るサヨナラヒットを放ち、夏の甲子園としては初めてとなる沖尚の8強進出に貢献した。石垣島でテレビ中継を見守っていた親類や友人たちは「最後にあんな打球を打つのは、さすが」と活躍をたたえた。
石垣市大川の黒島智幸さん宅には同級生や、安里選手が在籍していた少年スネークの子どもたちが集まり、テレビ中継される試合に一喜一憂。
中学までともに野球をしていた黒島美香さん(八重高3年)は「終盤まで相手の流れだったので、やばいと思った。健も打てていなかったので調子が悪いのかと心配だった。最後にあんな打球を打つのは、さすが」とコメントした。
スネークの宮良忠利君(登野城小6年)は「最後まで諦めず、勝利への執念が出ていた。健選手も最後の場面で勝負強い打撃をしていた。僕も健選手のような選手になりたい」と語った。
同級生らは試合終了後、インタビューを受ける安里選手がテレビに映し出されるとスマートフォンで画面を写真に収めていた。
石垣市新川の祖父、光雄さん(80)宅では祖母、サチさん(75)をはじめ親類や知人がテレビ観戦。
光雄さんは「逆転されてヒヤヒヤした。最後の打席も2ストライクまで追い込まれたので心配したが、打ってくれて万々歳だ。高校最後の甲子園なので、次は本塁打を」と期待を寄せた。
サチさんは「孫がサヨナラを決めた瞬間、テレビの前に躍り出てみんなで抱き合った。相手にリードされていたときは『負けるのかねー』と不安だった。みんなの応援のおかげ」と喜んだ。
2人は「準々決勝に勝ったら、甲子園に行く」と直接、孫の応援に出かける考えのようだ。