先日、宜野湾市の沖縄国際大学の図書館内で、2004年8月13日に起きた同大本館への米海兵隊大型輸送ヘリ墜落に関する展示を見る機会があった。墜落した大型ヘリの機体や消火活動、黒く焼けた本館の壁の写真などが展示され、当時の惨状が生々しく伝わった▼墜落から10年が経過した13日、同大はキャンパス内で「普天間基地から沖縄を考える集い」を開き、大城保学長が、同飛行場の即時閉鎖と撤去・返還を日米両政府に求める声明を発表した▼同飛行場の移設は現在、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸への移設作業が地元の強い反対を押し切る形で、強引に進められている。県民の声とはかけ離れた県内移設だ▼きょう15日は69回目の「終戦記念日」。終戦後、米軍の統治下に置かれた沖縄には復帰後42年が経過したいまなお米軍基地が残り、新たな基地建設が進む。沖縄の戦後はまだ終わりをみない▼安倍内閣は、憲法の解釈変更で集団的自衛権の行使を閣議決定した。沖縄での悲惨な地上戦、長崎、広島への原爆投下、数多くの民間人を含めた犠牲を払い、迎えた終戦。日本はそこから戦争の愚かさ、平和の尊さを学んだはずだ▼それが戦後69年目にして崩されようとしている。終戦記念日に戦争とは何か、平和とは何か。いま一度、考えたい。(下野宏一)
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