南ぬ島石垣空港施設に、㈱りゅうせきのジェット燃料タンク2基と充填(じゅうてん)所が完成し、1日から運用が始まっている。開港以降、便数の増加に伴って増大した燃料需要に対応した。これまで美崎町にある八重山支店のタンクを往復して行っていた給油作業が空港内でできるようになった。備蓄量は計420㌔㍑。夏のピーク時に4日分のジェット燃料を確保できることから、同社は「ジェット燃料の安定供給につながる」(尚諭取締役石油販売本部長)としている。
同社によると、石垣空港でのジェット燃料の年間需要は、開港前の約2万㌔㍑から約3万㌔㍑に増加。八重山支店内にはタンクが2基あり、貯蔵量は計1050㌔㍑で約15日分を備蓄することができたが、新空港開港後は需要増で約11日分に短縮されていた。台風の影響など天候不良時に本島から燃料の配送が滞ると、安定供給に支障が出る可能性があったという。
このため、一日でも多くの在庫日数を補うため、空き地となっていた県の給油施設用地を活用、石垣空港事務所を増設してタンク新設を計画。2月に着工、6月末に完成し、各種検査をへて1日から運用を開始した。
空港内で給油作業ができるようになったため、これまで空港から約15㌔離れている八重山支店まで約1時間30分かけて往復していた作業が効率化され、走行中の事故リスクも軽減される。
タンクがある㈱りゅうせき石垣空港事務所で13日、安全祈願祭が行われ、尚本部長は「長距離の往復作業が大幅に改善され、燃料の貯蔵量も増えた。給油量が増え、ジェット燃料は台風時などに逼迫(ひっぱく)する傾向にあったが、これも解消される」と話した。
一方、タンク施設は空港入り口にあることから、同社は石垣市と調整して景観に配慮、充填所に「南ぬ島石垣空港」「おーりとーり」の文字を大書し、タンクには空港マスコットの「ぱいーぐる」をペイントした。