西表島の一部で6月からの雨量が平年の50%にも満たない状況が続いているのを受け、竹富町は11日から、竹富島と波照間島を除く町内全域で節水を呼びかけている。町は臨時的な水源確保などの調査も進めているが、時間断水を行うことも視野に入れており、その場合、町内全2317世帯の80%で影響が出る見込み。
町内では西表島内の五つの水源地にせきを設けて取水し、同島内のほか、小浜島、黒島、新城島、鳩間島に海底送水している。
石垣島地方気象台によると、西表島(上原宇那利崎)の月間雨量は、5月は平年並みの182.5㍉だったが、6月は93.0㍉で平年の47%、7月は55.5㍉で同39%と2カ月連続で平年の50%を下回った。
8月は、9日まで2週間で0.0㍉の観測にとどまり、水源地の水量はせきを下回り、11日には西表島東部第2区簡易水道の水源地、相良(アイラ)川でもせきを下回る水量となった。
町水道課(宮良用和課長)は8日、対策会議を開いて対応を協議。11日から防災無線で節水を呼びかけるとともに、雨が降らなかった場合に備えて各地区で臨時的に水を確保できるわき水などの水源と水質の調査を実施している。
宮良課長は「観光客の多い時期だが、洗車や庭への散水などは極力控えてほしい。天気図を見ると八重山地方は気圧の谷間にあたっているため、数日は様子を見たい」と述べ、時間断水を視野に節水を呼びかけている。
時間断水が実施された場合、町内全2317世帯4217人(2014年7月末現在)のうち、波照間278世帯535人、竹富185世帯364人を除く1854世帯3318人に影響がでる見込み。
今回の節水呼びかけでは、石垣島から送水を受けている竹富島と海水を淡水化している波照間島は対象になっていない。
波照間島では6月下旬、島内の水道管で漏水があったため、一時節水を呼び掛けたが、漏水箇所の修繕で解消された。