八重山保健所(崎山八郎所長)管内で7月24日までに18人の結核の集団感染が確認された。管内での集団感染は初めて。県保健医療部が6日発表した。県によると、今年2月に50代の会社員男性が石垣市内の病院で肺結核と診断された。男性と接触した可能性がある家族や友人、職場の同僚など111人を検査した結果、男性1人が発病、16人の感染が確認されたという。50代男性患者の感染先は不明。感染拡大の防止に向け、崎山所長は「せきやたん、微熱などの症状が2週間以上続く場合は早めに医療機関で受診してほしい」と呼びかけた。
男性は昨年10月、別の病気で県内の病院に通院した際、胸部エックス線で異常陰影が確認されたが、病院は喀(かく)たん検査などを行わず、退院時に精密検査を受けるよう促したが、男性は受診していなかった。
昨年12月ごろからせきやたんの症状が悪化し、管内の病院で診察を受け、肺結核と診断された。
50代の男性と発病した1人は現在、通院治療中。感染した16人は予防投薬している。
この集団感染での死者や18人以外の感染の拡大は今のところ、確認されていない。
管内の結核患者発生件数は2012年が発症10人、感染5人、13年は発症10人、感染9人。県内では13年に新規の患者登録者が251人となり、18人が死亡している。
結核は結核菌が原因となる感染症。患者のせきやくしゃみにより空気中に飛散した結核菌を肺の中に吸い込むことで感染する。感染しても発病するのは1~2割で、感染して発病するまでに早くても数カ月かかる。発症するとせきやたん、微熱が2週間以上続く。一定期間の薬の服用で治癒する。