8月の観光トップシーズンを前に、八重山ビジターズビューロー(理事長・高嶺良晴石垣市観光交流協会会長、YVB)が石垣島の観光地を視察したところ、トイレが使用不能になっていたり、アクセス道路沿いに雑草が繁茂していたりするなど、不十分な施設整備や施設管理の実態が浮き彫りになった。高嶺理事長は「観光地によって管理状況の差がはっきりと出ていた。特に底地ビーチがよくない」として改善を求めている。
観光地視察は24日、YVBの役員や市の担当者らが15人で初めて実施した。今後、定期化していく考え。今回は、市が指定管理者に管理を委託している玉取崎展望台、平久保埼灯台、米原海岸、川平湾、底地ビーチなどを中心に回った。
このうち石垣市指定海水浴場の底地ビーチについては「看板が老朽化したり、破損したりしている」「更衣室のロッカーはさびが目立ち、男女の区別も簡易的なもののみ」などの指摘があった。
同ビーチにはトイレは4カ所あるが、3カ所が使用不能。使用可能な1カ所も男子トイレの手洗い場が詰まっているほか更衣室やロッカー室は男女の仕切りがすだれのみで、ロッカーもさび付いている。
指定管理者のスタッフによると、更衣室を使用する観光客らはほとんどおらず、2010年2月に完成した休憩施設のシャワー室や隣のシャワー室を代用しているという。
高嶺理事長は「指定海水浴場として市は補修などの予算を確保して改善してほしい」としている。
玉取崎展望台では、トイレの電灯がつかず、女子トイレ内にごみが散乱していた。平久保埼灯台では、小型バスが駐車場でUターンするのが難しく、灯台への歩道に雑草が生い茂って歩いて行くのが困難だった。
YVBは、観光地に立てられている注意喚起の看板についても「外国人の入客増加に伴い、看板を多言語にするか、絵や図にして分かりやすく表記することが必要だ」と指摘する。
視察に同行した石垣市観光文化スポーツ局の大得英信局長は「観光客の立場からすると、こぎれいさや清潔感がないように思えた。早めの点検、早めの修繕が必要だ。当面は通常の維持管理の質を上げなければならない。観光は本市のリーディング産業となっており、観光地の環境整備については財政上の措置が必要になってくる」と話している。