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オオヒキガエル捕獲大作戦 八重農生も“初参戦”

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捕獲したオオヒキガエルをみせる生徒。あまりの大きさにびっくりしていた=29日午後8時20分ごろ、名蔵小中学校

 環境省那覇自然環境事務所石垣自然保護官事務所が主催する第7回石垣島オオヒキガエル捕獲大作戦は28日から8月10日までの日程で行われており、62人が参加している。今回、八重山農林高校の生徒25人と職員5人が初参戦。29日夜、女子生徒9人と職員ら5人が1回目の捕獲に向かった。場所は名蔵小中学校付近。作業着に長靴をはいた生徒たちは午後8時ごろ、ビニール製の手袋をはめ、捕獲用の網と懐中電灯を持って作戦を開始した。  (比嘉盛友記者)

 ■目がかわいい

  「きゃー、いた」「気持ち悪い」。オオヒキガエルは湿気のあるところや、明かりに集まる虫を求めて外灯の下にいる。なぐら幼稚園の側溝近くで、最初の獲物に出くわした生徒から悲鳴が上がる。

 オオヒキガエルは目の周りにゴツゴツとした隆起があり、一見するとグロテスク。生徒たちはおっかなびっくり、及び腰の手つきで捕獲作業を行っていたが、こつをつかむと、「いたー」「つかまえた」と大はしゃぎ。捕まえた個体をよく観察すると、「目がかわいい」ことも分かった。

 ■外来生物なので…

  網で捕獲したカエルはつかんで取り出し、1匹ずつビニール袋に入れて口を結びつける。オオヒキガエルは目の後ろにあるこぶ(耳線)を圧迫すると毒液が出るので、後ろ足の付け根をつかむのがポイントだ。

 捕獲すると、記録表にオス、メス、幼体の数を書く。大作戦の直接捕獲部門のポイントはメスの成体(11㌢以上)が6、オス成体(同)が2、幼体(11㌢未満)が1。ポイントを稼げるメスは背中の模様やのどの白さなどの特徴で見分けることができるが、いちいち選んでいるひまはない。結果は後からついてくる。とにかく見つけたら捕まえる。生徒たちは約1時間、これを繰り返し、計110匹を捕獲した。

 下地瑞穂さん(ライフスキル科2年)は「最初は怖かったが、捕ってみると楽しかった。オオヒキガエルを減らすのにちょっとでも協力できたらと思い、参加した。島の自然がもっと豊かになるといい」と話した。

 﨑原理奈さん(同)と2人で50匹を捕獲した與那嶺理奈さん(同)は「カエルが大好きなのでちょっとかわいそうな気もするが、外来生物だから…」と割り切り、﨑原さんが「オオヒキガエルを捕獲して石垣島の貴重な生き物を守るのだよね」と相づちを打った。

 

 【オオヒキガエル】 中南米原産の8―20㌢程度のヒキガエル。石垣島には1978年、サトウキビの害虫駆除の目的で持ち込まれ、その後、繁殖して全域でみられるようになり、生息個体数は3万―5万匹と推定されている。石垣島のオオヒキガエルが1カ月で食べる昆虫の量は約600㌔と言われており、生態系への影響が懸念されている。


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