県病院事業局は23日までに、2017年度の開院を目指す新県立八重山病院の整備基本計画を策定した。地域住民にとって必要な医療を可能な限り提供するとして▽救急・周産期・がん医療など高度医療▽患者をトータルで支える医療▽医療安全▽本島の医療機関などとの連携強化▽職員の教育・研修体制の充実ーなどを掲げている。
病床数は現行許可病床数の350床を上限の範囲内として、受け入れ態勢を強化するとしている。
具体的にはICU(集中治療室)を4床から6床に、HCU(ハイケアユニット)を4床から8床に増やすほか、GCU(新生児治療回復室)を6床新設する。
病床数については、高齢者による将来の医療需要の動向に加え、観光客数の増加も見据えながら必要とされる数を確保するとしている。
八重山の医療を守る郡民の会(宮平康弘会長)は350床を死守するよう意見を提出していた。
検討事項として休日夜間診療、ヘリポート整備、離島患者や同行者の宿泊施設、保育所の整備を挙げた。
宿泊施設については「八重山広域市町村圏事務組合、観光協会、民間ボランティア団体等との連携を図る」、休日夜間診療については「主体となる自治体および八重山地区医師会などとの役割分担を明確にした上で継続して検討する」とした。
個室率は25~30%を基本に整備する。
診療科目は23科で、歯科口腔(こうくう)外科については設置に向けて調整中とした。
県は今後、基本設計、実施設計をへて15年度に着工、約2年で工事を完了させ、17年度の開院を予定している。
建設地は旧石垣空港内の3万9839平方㍍。このうち国有地が3万585平方㍍を占めている。
今後、用地取得に必要な協議を国と、跡地利用計画などの協議を市と進め、整備スケジュールに影響が少なくなるよう努めるとしている。