【竹富】第53回竹富町戦没者追悼式(町主催)が「慰霊の日」の23日午前、竹富島の町出身戦没者慰霊之塔で行われた。正午に町内全域の防災無線によるサイレンを合図に、各島々で住民が黙とう、戦没者の冥福を祈った。
1972(昭和47)年に建立され、400人近い戦没者の名前が刻銘された慰霊之塔は老朽化で年度内に町が建て替えを計画している。
式典には遺族や竹富小中学校の児童生徒、関係者ら約100人が参列。黙とうの後、川満栄長町長が「戦争は人間の尊厳を踏みにじるものであり、次の世代に正しく伝え、八重山から世界に平和のメッセージを発信していきたい」と式辞。県遺族連合会八重山支部副支部長の冨里正通さん(代読)が追悼の言葉を述べた。
児童生徒を代表して竹富中学校3年の上野勇佐魚(いさな)君が「竹富島の学校にも爆弾が落とされ、運動場に大きな穴が空いたことをお年寄りから聞かされた。当時のことを考えると、私たちの生きる今はすごく幸せなんだ思う」と平和のメッセージを朗読。平和への願いを込めて全児童生徒で「月桃」を合唱した。
続いて、西大舛髙旬町議会議長や大山栄一竹富公民館長、遺族らが次々と焼香、平和への決意を新たにした。