沖縄は23日、沖縄戦終結から69年目の「慰霊の日」を迎えた。69年前、本島では激しい地上戦で、八重山では軍命によるマラリア有病地への強制疎開などで、多くの住民が犠牲になった。沖縄本島摩文仁の「平和の礎」には全戦没者24万1281人が刻銘されており、八重山関係者は6234人。郡内各地でもこの日、慰霊祭や平和祈念式が行われ、参列した人たちが戦没者の冥福を祈り、戦争体験の継承を誓った。
石垣市主催の全戦没者追悼式・平和祈念式は同日午後4時から、バンナ岳ふもとの八重守之塔で行われた。中山義隆石垣市長は平和宣言で戦争マラリアに言及し、「肉親を失う悲しみ、苦しみ、悔しさは想像をはるかに超えるもの。二度と繰り返さないという誓いを胸に刻まなければならない」として平和学習の積極的な推進を誓った。
市の平和作文コンクールで最優秀賞の嵩原並生さん(大浜中1年)、優秀賞の関野丞君(大浜中3年)が作文を朗読、「近いところから暴力をなくすこと」「具体的に行動することが、平和につながる道」などと訴えた。
父親が海軍兵士として戦死したという県遺族連合会八重山支部の冨里正通支部長は「国のためにかけがえのない命を失った人々が今の日本の礎をつくったことを私たちは決して忘れてはならない」と述べた。
式では各団体のほか市内全小中学校の代表も参列、献花や焼香を行い、平和について思いを巡らせた。式に先立ち、表千家不白流八重山白和会がお茶を供え、女性コーラスグループ「マミーズ」のメンバーが平和の歌をささげた。