生産者や関係機関、団体の情報共有や連携強化を図ることを目的とした八重山地域農林水産業成果事例報告会(八重山地域農林水産業推進会議主催)が15日、八重山合同庁舎で開催され、八重山農林水産振興センターや水産海洋技術センター、石垣島ファーマーズクラブなどが発表した。
このうち同センター農業改良普及課主任技師の舞木紀玲氏は「ゴーヤー栽培における天敵利用による害虫防除技術の推進」について発表。八重山では事例がなかったゴーヤへの天敵を用いた害虫防除としてスワルスキーカブリダニを2017年度に導入。低温時期に課題は残ったものの害虫のミナミキイロアザミウマの被害を抑えることに成功。翌年には気温の低下を緩和する実証ほ場を設置。ミナミキイロアザミウマに対する農薬散布ゼロを達成した。
実証実験と並行して天敵利用勉強会も開催。農家同士で意見交換や情報共有を行い、天敵利用の周知を図った。
舞木氏は今後の課題として「在来天敵のタバコカスミカメの利用を試みる農家も増えている。天候に影響されにくい温存ハウスなど新しい技術を組み込みながら安定的な天敵利用を推進したい」と強調した。
ほかには牛肉のおいしさの新機軸「オレイン酸測定」やヤイトハタの性別を変える技術開発、ICT活用による農業の新たな可能性などについての報告が行われた。